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有限責任が事業を大胆にする(昭和13年)

  • 執筆者の写真: 拓 西島
    拓 西島
  • 7月30日
  • 読了時間: 2分

自分で事業を始めると、その経済的な責任の重さはサラリーマンの比ではありません。仕入れ先への支払いが滞れば事業はできなくなりますし、従業員への給料が払えなくなれば、多くの人を露頭に迷わせてしまいます。


したがって、事業主というのは原則、私財をなげうってでもこれらの支払いに対応しなければなりません。これを「無限責任」と言います。


一方で、株式会社などの法人の場合、出資した金額の範囲で責任を負えばいいとされ、仮に事業が破綻したとしても出資した分の財産を失うだけで、自分の財産まで失うことはありません。これを「有限責任」と言います。有限責任であれば、思い切った事業にもチャレンジしやすくなります。


「有限責任」の仕組のもう一つメリットは、私財までを失うリスクを避けられるがゆえに大きな資金を集めることができるという点です。すなわち有限責任会社、とくにその典型である株式会社の目的は、会社規模を拡大させ大会社を作ることにあります。


一方、中小企業にも「有限責任」のメリットを享受させることを目的とした、有限会社法が昭和13年(1938年)に公布されました。


当時の日本は、世界恐慌の影響を受け国内経済を立て直す必要がありました。そこでより大きな株式会社を育て、外貨を得ることで国力を回復させるという方向へ舵を切ることになります。そのために株式会社の設立や運営にはより厳格なルールが求められることになります。


それまで有限責任会社を設立するには株式会社を設立するしかなかったのですが、この有限会社法ができることによって、中小企業でも有限責任の仕組を取り入れることによってより大胆な事業展開をできるようにしようというのが狙いだったようです。


なお、平成18年に会社法が制定されたことにより、有限会社を新たに設立することはできなくなりました。その代わりに株式会社の資本金額の要件が下げられたり、合同会社という有限責任会社ながら中小企業に多くみられるようなオーナー企業が会社を運営しやすい仕組みも登場し、現在でも中小企業がリスクを取って事業を行える環境が用意されています。


環境変化が激しい現在も、小さな個人がリスクを取って新しいことを始めることに意義があるのではないでしょうか。





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